人類の健康と福祉の向上・学術文化の発展に向けて

お知らせ

  • 2019/9/11

    アカデミアシーズ探索研究会

    2019年9月7日(土)-8日(日)
    クロス・ウェーブ梅田で開催しました。
    (詳細は写真をクリックしてください)

  • 2019/9/11

    国際誌に予防薬理学セクションを新設

    Bentham Publisher発行の国際誌「Current Molecular Pharmacology」誌に、予防薬理学セクション「Prophylactic Pharmacology Section」が新設されました。原著論文や総説論文などの積極的な投稿をお待ちしています。

  • 2019/8/5

    国際学会での発表

    理事長の米田幸雄 教授が2019/5/13に大阪で開催された国際学会のNeurotalk 2019で発表を行いました。

  • 2019/8/4

    研究論文の発表

    理事長の米田幸雄 教授の論文がNeurochemistry Internationalに掲載されます。

Information

  • 11 Sep 2019

    Academia for research on seeds exploration 2019

    It was held at X-wave UMEDA in 7-8 Sep 2019
    (For detail, click photo, pls.)

  • 11 Sep 2019

    Established preventive pharmacology section in international journal

    Prophylactic Pharmacology Section is newly established in “Current Molecular Pharmacology” published by Bentham Publisher. We look forward to actively submitting original papers and review papers.

  • 2019/8/5

    Presentation at an international conference

    Our president, Prof. Yukio Yoneda made a presentation at Neurotalk 2019, an international conference held in Osaka on May 13, 2019.

  • 2019/8/4

    Publication of research paper

    The paper by Pesident Yukio Yoneda is published in Neurochemistry International.

コラム(#001)

予防薬理学とその未来
 理事 伊藤 文昭(摂南大 名誉教授)

 この度は予防薬理学研究会の発足おめでとうございます。理事の一人として、疾病の予防と薬理学の未来について、述べさせていただきます。

 健康でありたいという願望は老いも若きも変わりません。高齢者について言えば、いかに健康寿命を延ばすかが大きな関心事となっています。「転ばぬ先の杖」というわけで「疾病発症の予防」の重要性が強く認識され、健康食品・サプリメントが今や大人気となっています。また、安部首相が総裁3選を決めた当日の短い会見の中でも医療費削減の切り札として「予防」が強調されているように、個人の願望と財政的な問題を解決したいという国の願望は完全に一致しております。

 日本の健康食品・サプリメントの市場規模は1兆5千億円を超えており、大衆薬(医師の処方箋なしに薬局で自由に買える薬)の約2倍にもなり、今後もこの市場の拡大が期待されています。健康食品は、①国が安全性、有効性に関するなんらかの基準を定めている保健機能食品(機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品を含む)と②「いわゆる健康食品」からなり、いずれの場合も選択・利用は消費者の自由に任されています。厚生労働省の「健康食品」に関するホームページには、「国民がそれぞれの食生活の状況に応じて健康食品を適切に選択する必要があります」と書かれていますが、ほとんどの国民にとり「適切な選択」をすることはかなり難しいと思えます。また、消費者庁はホームページを通じて、「届出食品の科学的根拠等に関する基本情報(一般消費者向け)」など、多くの情報を発信しています。しかしながら、健康食品は多数の健康人が日常的に摂取していることを考えると、「きちんとした分かりやすい情報」の多面的・多角的な視点からの発信と、個々の食品に関する安全性や有効性の科学的な検証が重要となります。

医薬品は、動物での非臨床試験と健康人や患者を対象とした治験(フェーズ1、2、3)を経て安全性・有効性が担保されて市販され、市販後も医師・薬剤師の管理下で利用されています。一方、健康食品についての事前チェックは医薬品に比較してゆるいのが現状ですが、チェックを厳密化するとハードルが高くなり、健康食品業界を委縮させて自由な経済活動を阻害するというジレンマも抱えています。

 「日本薬理学会の提言」からの抜粋になりますが、薬理学は「薬と生体の相互作用とその基盤となる生命現象を研究することにより、創薬と薬物治療の基盤を確立する科学」であり、また、「薬の“適正使用”に不可欠な作用・副作用の解明を通して薬物治療に貢献する科学」と明記されています。予防薬理学では、医薬品に代わり食品が主役となりますが、①食品と生体の相互作用を研究することにより、食品の作用機序の解明や新たな健康食品の創出、②健康食品の有効性や毒性の解明を通して、健康増進に向けた食品の適切な使用への貢献などが、その使命として期待されます。予防薬理学は新しい分野であり、「予防」と「薬理学」の二つのキーワードを基に、将来的には「食品」だけでなく「生活習慣」や「運動」などを包含することも考えられ、今後、会員の活発な議論・活動により大きな発展が期待されます。

 以上のことから、この研究会に多数の方が積極的に参加され、未開の研究分野ともいえる「予防薬理学」の確立・発展に寄与されることを切に希望する次第です。

#001 - 181115